綾辻行人
文春文庫
謎の提示を中心とした上巻。三年三組に隠された秘密が徐々に明らかになっていくのが、とてもスリリングでした。
死者は、誰?
状況の説明が終わったところで、最も大きな謎が提示されます。今のところ、全く想像できません。綾辻行人のことだから、必ずあっと驚く真相が飛び出してくるのだと思います。(ああ、でも、ホラーだからそういうオチで終わるのでしょうか?)
ホラーとジャンル分けされていますが、上巻はそれほどホラー色は強くないように感じます。どちらかというとミステリのテイストが強い印象でした。それでも、最後の方で出てくる見崎鳴の母親にはぞっとさせられました。特に怖い描写はないものの、娘に対する態度がとても不気味に感じました。また、榊原恒一の父との電話が切れるシーンも、水野沙苗の死の場面と重なり不安な気持ちにさせられました。
また、いろんなところに伏線が張り巡らされていそうです。読みながら「おや?」とは思うのだけど、ついつい物語に引きづり込まれてしまいます。
アニメ化もされている本書ですが、アニメは観たことがありません。公式Webサイトを観るとキャラクターデザインがちょっとかわいらし過ぎる印象でした。個人的にはもう少し毒のあるデザインが合うと思います。
今年の夏に映画化もされるようです。2012年8月4日公開。日本のホラー独特の感じに仕上がりそうです。確かにアニメよりも実写向きかもしれません。
死者は誰?か。呪いは食い止められるのか。下巻が楽しみです。